リネンとは?麻との違いは?リネンの生地のこと

こんにちは生地の森です。
日頃から生地の森をご利用のお客様をはじめ、初めてこちらを訪れていただいた皆さま、生地の森の公式ブログにお越しいたただき誠にありがとうございます。
生地の森は、リネンなど麻の素材を中心とした天然素材の生地を、企画、製造、オンラインストアでの販売をさせていただいております。
ここでは、「リネンって何?」「麻との違いは何?」という疑問に、生地の森の独自目線でご説明させていただきます。
【目次】
1.リネンって何?
2.麻との違いは何?
3.リネン生地について
─3‐①リネン糸の糸番手
4.リネン生地の特徴
5.リネン生地を使うデメリット
6.リネン生地の取り扱いについて
1.リネンって何?
リネンとは?…亜麻(あま)という植物から採取された繊維を原料とした、糸や織物のことを指します。

フラックスは亜麻科の一年草で、連作しないため収穫量に限りがあり、いっそう貴重な原料となっております。ヨーロッパの北部の地域(フランス、ベルギー等)で多く生産されています。
2.麻との違いは何?
麻とリネンの違いは?…そもそも麻とは、糸や生地の元となる繊維やその原料となる植物の総称です。分かりやすく言うと、リネンは麻の一種になります。
【麻の主な種類】
・リネン(亜麻 あま)
・ラミー(苧麻 ちょま)
・ヘンプ(大麻 たいま)
・ジュート(黄麻 こうま) などがあります。
この中で、衣料など繊維製品に付けられる「家庭用品品質表示法」の「麻」という表示を課しているのは「リネン」と「ラミー」の2種類のみになります。
※分かりやすく言うと、お洋服の裏の左脇に付いている品質表示タグのことです。
ここまで、リネンとは何?、麻との違いは?について簡単に説明させていただきました。
次は麻の一種であるリネンのことをもっと詳しく知りたくなりますね。
(ここからはリネンのことを「リネン生地」という言い方に統一させていただきます。)
3.リネン生地について
リネン生地は、まず亜麻(フラックス)から繊維を取り、その繊維からリネンの糸が作られます。
リネン生地の原料となる植物から糸になるまでの過程を説明した特集がございますので、よろしければこちらのページもご覧ください。
⇒「フラックス畑にて」
(生地の森公式オンラインストアに遷移します)

3‐①リネン糸の糸番手

続いてリネン生地を織るリネンの糸について、リネン糸にもニットを編む毛糸と同じように糸の太さには種類があります。そして糸の太さは糸番手を数字で表記しますが、リネンの糸番手は麻番手が用いられます。
【上から糸の太い麻番手順】
8番手
14番手
25番手
40番手
50番手
60番手
70番手
80番手
麻番手は、数字が小さいほうが糸は太く、数字が大きい方が糸は細くなります。
しかしここで、番手の太い方が生地が厚く、番手の細い方が生地が薄いと思われたり、生地の厚みは、糸の番手が同じであれば、どの生地の厚みも一緒だと思われたりします。
しかし生地の厚みには、糸番手以外に、織密度(生地に使われている糸の本数)や織組織、さらには、生地の加工方法による風合いによっても厚みが変わったりします。糸番手はあくまでも一つの目安にしていただければと思います。
4.リネン生地の特徴
ここからはリネン生地の特徴について説明していきます。
【リネン生地の特徴】
①丈夫で長持ち
②汚れがついても落ちやすい
③使うほど肌に馴染み、変化を楽しむ
④通気性・保温性に優れ、通年適した素材
⑤色は黄みがかった生成り(亜麻色)
①丈夫で長持ち
しっかりした繊維でできているリネン生地は、腰が強く耐久性にも優れています。
濡れると強さが一層増し、繰り返しのお洗濯にも強く、丈夫で長持ちします。
②汚れがついても落ちやすい
リネンの繊維に含まれるペクチンには汚れを染み込みにくくする性質があるため、繊維自体に天然の抗菌性があると言われています。なのでリネン生地は汚れがついても落ちやすく、また繊維の毛羽が付着しにくいことから衛生的でファッションアイテムをはじめ、キッチンクロスやインテリアファブリックなど幅広く愛用されています。
③使うほど肌に馴染み、変化を楽しむ
リネン生地は独特ななめらかさと優雅な光沢感があり、触れてもチクチクせず、ソフトな肌触りが特徴です。また腰が強く丈夫な繊維でもあるため、長持ちで使うほどに風合いが増し、くったりと肌に馴染んでいきます。
④通気性・保温性に優れ、通年適した素材
リネン生地の繊維は、中が空洞に空気が含まれているため、寒い冬は体温で暖まった空気を保つ性質があり、体を暖かく包み込み、汗ばむ季節は上手に水分を逃がす性質があり、サラッとした肌触りで過ごすことができます。なのでリネン生地は夏に使う生地のイメージが定着しておりますが、通気性と保温をバランス良く保ち、一年中快適にお使いいただけます。
⑤リネンの色は黄みがかった生成り(亜麻色)
リネン生地とはもともとどんな色をしているのでしょうか?
麻は農作物を原料としており、その原料そのもののことを生成(キナリ)と称します。
よく生成(キナリ)は色名にも使われておりますが、本来の生成(キナリ)とは、人工的に着色された色ではなく、原料そのものの色を表しております。
下記に麻の種類の中のリネン、ラミー、ヘンプの生成(キナリ)を並べました。

リネンの生成(キナリ)は麻の種類の中でも一番黄味(茶味)が強い色が特徴です。
亜麻色(あまいろ)という言葉をご存じですか?亜麻色とは亜麻を紡いだ糸の色のような黄色がかった薄茶色のことを言います。
リネン生地は、この生成(キナリ)がベースとなります。よくリネン生地は色がくすんでいると言われますが、もともとの生成(キナリ)が黄味がかってくすんでいるのが理由です。逆にリネン生地でクリアな色を付ける方が難しく、晒して真っ白にしてから染色しない限りクリアなカラーは表現できません。晒せば色はきれいになるかもしれませんが、晒すと糸自体が痩せて若干細くなってしまいます。なので厳密には生成(キナリ)とオフホワイトは風合いや厚みの感じも若干異なる場合があります。
5.リネン生地を使うデメリット
ここまでリネン生地の特徴についてご説明いたしました。
良い特徴の半面、ご理解をいただく点もございますので、ここではリネン生地を使うデメリットをご説明していきます。
【リネン生地のデメリット】
①皺(シワ)がつき易い
②濃色品は鮮明に染まり難く、均一な染色が難しい。
①皺(シワ)がつき易い
リネン糸はぼこぼことしたシボ感のある斑な糸質があり、リネン生地も斑になりシボ質が出ますので、その表情をナチュラル感ととるか、斑でシワととるかは人それぞれです。

⇒画像上で商品ページに遷移します
②濃色品は鮮明に染まり難く、均一な染色が難しい。
上記でリネンの生成(キナリ)をご覧いただいたように、生成(キナリ)は亜麻色といって黄味がかっていて、生成(キナリ)自体がぶれやすく糸は斑で均一ではないのです。そのため染色に非常に影響が出やすく、均一にはなりません。それを天然素材特有とご理解をいただき、ナチュラル感を感じていただけれあ幸いですが、くすみもムラのないクリアできれいな色の生地をお求めなら、ナチュアルな風合いのリネン生地はあまり選択されないのがおすすめです。

⇒画像上で商品ページに遷移します。
6.リネン生地の取り扱いについて

⇒画像上で特集ページに遷移します。
続いて、リネン生地を使うにあたっての取り扱いについてご説明させていただきます。
①リネン生地は水通しした方が良いの?
②リネン生地はお洗濯するとどれくらい縮むの?
③リネン生地は普通にお洗濯していいの?
リネン生地を初めてお使いになる時、今さら聞けない時などは、生地の森の特集「リネン生地のお取り扱いについて」をぜひご覧ください。
⇒「リネン生地のお取り扱いについて」はこちら
※生地の森公式オンラインストアの特集ページに遷移します。
①リネン生地は水通しした方が良いの?
リネン生地の水通しはした方が良いのか、しなくても大丈夫なのか、皆さまからご質問をいただきますが、生地の森のリネン生地に関しては、水通しをしないでそのままでお使いいただけます。わたしたちの生地は、織布して、染色加工、整理加工と最終工程を済ませてありますので、洋服を作られるアパレルはそのまま縫製工場で裁断の工程に進みます。そのため、生地の森のリネン生地は水通し無くてもそのままお使いいただいても問題はございません。
②リネン生地はお洗濯するとどれくらい縮むの?
では、水通ししなくてもリネン生地は全く縮まないの?と言われますと、多少の縮みは起きます。
麻や綿などの天然繊維の生地は、水洗いにより生地の目がきゅっと詰まる性質があります。織密度や織組織、また加工方法によっても縮み度合いは生地により異なりますが、生地の森のリネン生地に関しては、縮率は約3%に満たないものがほどんどで、この縮率は天然繊維の生地の品質の許容の範囲内と言われております。
しかしお仕立て後のお洗濯や取り扱いによって、生地が歪んで型崩れを起こす場合もありますので、水通しをして地直しをされるのは良いかと思います。
何を作るか、作った後の製品の取り扱いも加味して、デザインや目的、用途に応じて、水通しやお洗濯の有無などお選びいただけますと幸いです。
③リネン生地は普通にお洗濯していいの?
リネン生地は一般的には水洗い可能です。しかし「普通のお洗濯」が良いかどうかは「普通のお洗濯」がどの程度のものなのか人によって扱われ方が異なってくるため、「普通のお洗濯」の一つの例を取り上げて、起こる原因について上げてみたいと思います。
例えば、大量のお洗濯を一度にまとめた普通のお洗濯を例にしてみます。
大量なまとめ洗いは、生地と生地が強く擦れあい、摩擦により生地が傷む原因になります。
また大量に一度に回すと、浸水時間や脱水時間を長くし、さらには強力な洗浄力を持った洗剤を使うことにより、色落ちを起こし、繊維が痩せて生地の劣化を早める原因になります。
また浸水したまましばらく放置したり、脱水後も湿った状態で放置されたりすると、繊維を傷める原因になり、生地が寄れて余分なシワが付いてしまったり、型崩れを招きます。
このような「普通のお洗濯」の方法は、リネン生地に限らず、どの生地に対してもあまりお勧めはできません。
リネン生地の風合いを大切にしたいのであれば、お洗濯はなるべく他のものと一緒に洗わずに、単独で手洗いすることをお勧めします。また洗剤も汚れがひどくなければ、部分洗いや中性洗剤を使って、頻繁なお洗濯を避けていただくことをお勧めします。
リネン生地は、汚れがついても落ちやすい特性もありますので、多少の汚れが付いたら、部分的に汚れを落としたり、全体の誇り汚れは、衣料用のブラシでブラッシングしていただくも良いかと思います。
またリネン生地はシワが付きやすい性質がありますので、洗い終わったら生地をなるべく平らにの伸ばして、もしシワが気になるのであれば、乾ききらない半乾きからアイロンで整えることもお勧めです。
しかしリネン生地は、洗いざらしの自然な風合いも持ち味ですので、あえてシワを上手に着こなすものおすすめです。
以上リネン生地の水通しやお洗濯の取り扱いについてまとめました。
尚、この生地は随時更新していく予定です。
その他生地の森のリネン生地にまつわるコンテンツをご紹介させていただきます。
1. ワンピースやパンツ、作りたいアイテムに向いたリネン生地を探したいとき 2. イメージしているリネンの生地の厚みで探したいとき 3. 人気のリネン生地を知りたいとき |

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1. ワンピースやパンツ、作りたいアイテムに向いたリネン生地を探したいとき
作りたいアイテムは決まっているけれど、どんなリネン生地を使ったらよいのか迷っていたり、イメージに近いリネン生地を探したいときなどは、「麻・リネン アイテム別のおすすめ」をご覧ください。
作りたいものに合う 麻・リネンおすすめ生地
(※2021年3月5日更新)

2. イメージしているリネンの生地の厚みで探したいとき。
イメージしているものが決まっていると、生地探しは以外と難しいものです。なのであまりイメージに凝り固まらず、すこし広い視野でお探しいただくのもおすすめです。例えばイメージしている「厚み」はいかがでしょう。「比較的しっかりした厚み」「どっしりと重みのある厚み」「ふんわりと軽い薄地」「厚すぎず、薄すぎずちょうどよい厚み」などイメージに近い厚みのリネン生地でが探してみてください。生地の森では、麻・リネンの生地の中で「厚みで探す」探し方ができます。
⇒リネン生地を厚みで探す方はこちら

「薄地」、「中薄地」、「普通地」、「中厚地」、「厚地」と5段階でカテゴリー分けしております。
・「中厚地」「厚地」は、しっかりたリネンのキャンバスタイプ
⇒ジャケットやアウター、パンツなど、お部屋のカーテンやカバー類、
・「普通地」は、厚すぎず薄すぎず、通年で使いやすいタイプ
⇒ワンピースやシャツやプルオーバー、スカートなど
・「中薄地」は柔らかく、軽めでさらっとしてるタイプ
⇒シャツやブラウスなど。
3. 人気のリネン生地を知りたいとき
初めて訪れていただいたお客さまの中には、「生地の森のリネン生地はどれも似ていて何を選んだらよくわからないから、適当におすすめの生地を見繕ってほしい」という方もいらっしゃいます。そこで、スタッフをはじめ、当店をご利用いただいくお客さまからの貴重なご意見やご感想をもとに、皆さまがおすすめする人気のリネン生地をランキング形式でご紹介させていただいております。

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