麻の種類とは?リネン・ラミー・ヘンプ

こんにちは生地の森です。

じめじめとうっとうしい梅雨の季節になりましたね。
この時期は、麻生地の需要も最も高くなり、お客さまからの麻生地に関するお問い合わせや、麻生地を使うのが初めてという方からのご相談もいただきます。


お問い合わせでいただく大半は、リネンやリネン生地にということなのですが、
このリネン。麻の種類の一種で、ほかにも麻には種類があることをご存じですか?

関心のある方とお話しをつづけていくと、違いが知れてよかったと言われます。なので、きっと種類のことや、特徴の違いが分かれば、麻の生地の使い分けなどもできて、さらに理想に近い手作り服を楽しむことができるのではないかなと思いました。

実は私自身も、麻とリネンが曖昧でした。
しかし、お客様とお話しをする機会が増えて、逆にいろいろと教えていただいたり、ハッと気づかせていただいたこともありました。

そこで、あらためて麻のことについて、麻の種類など、このブログ通じて、皆さまと一緒に共有できれば幸いと思っております。


突然ですが、クイズです!

Q1 衣料用に使われる麻の種類は3つです。それは何と何と何でしょう?

Q2 じめじめの季節、汗ばむ夏に一番快適と思われる麻の種類は?

(答えは本記事の末尾へ)


≪目次≫

・「麻」とは?
・「麻」の種類について
・「麻」の繊維の特徴


・「麻」とは?

すこし堅苦しい言い方になりますが、
麻とは、生地を織る糸の原料となる「繊維」のことを「麻」と言います。

・「麻」の種類について

実は「麻」にはさまざまな種類があるのをご存じですか?
主に衣料用に使われている「麻」の種類には大きく3つあります。

  ■亜麻(あま)…リネン 
  ■苧麻(ちょま) … ラミー 
  ■大麻(たいま) … ヘンプ 

「麻」の繊維の原料はこれらの植物になります。
「麻」は植物の茎の靭皮部分から採られる植物繊維で、セルロースが主成分となります。 それらを称して麻」と呼んでいるのです。

この中で「リネン」は確かに聞きなれているかと思いますが、実際に皆さまの身の回りにはリネン以外の麻の生地もあるかもしれません。

・「麻」の繊維の主な特徴

「麻」の繊維の主な特徴は、吸湿性が高く、放熱性に優れ、肌に触れたときに涼しく感じるので、春夏物の衣料品に多く使用されてる繊維です。

そこで、上にあげた3つの繊維

  ■亜麻(あま)…リネン のヒミツ
  ■苧麻(ちょま) … ラミー のヒミツ
  ■大麻(たいま) … ヘンプ のヒミツ

下はそれぞれの繊維から作られた生成り(キナリ)糸です。
種類ごとの違いがはっきりと分かります。

(左:リネン  中央:ラミー  右:ヘンプ)

では、これらの特徴を見ていきたいと思います。

■ 亜麻(あま)…リネン のヒミツ


→リネンの原料

リネンの原料は亜麻=フラックスという植物です。
フラックスは亜麻科の一年草で、連作しないため収穫量に限りがあり、いっそう貴重な原料となっております。
フランス、ベルギーなどヨーロッパや、中国の比較的涼しい地方で栽培されています。

→リネンの特徴

・丈夫で長持ち
しっかりした繊維でできているリネンは、腰が強く耐久性にも優れています。
濡れると強さが一層増し、繰り返しのお洗濯にも強く、丈夫で長持ちします。

・汚れがついても落ちやすい
リネンの繊維に含まれるペクチンには汚れを染み込みにくくする性質があるため、繊維自体に天然の抗菌性があると言われています。汚れがついても落ちやすく、また繊維の毛羽が付着しにくいことから衛生的でファッションアイテムをはじめ、キッチンクロスやインテリアファブリックなど幅広く愛用されています。

・使うほど肌に馴染み、変化を楽しむ
リネンは独特ななめらかさと優雅な光沢感があり、触れてもチクチクせず、ソフトな肌触りが特徴です。
腰が強く丈夫な繊維でもあるため、長持ちで使うほどに風合いが増し、くったりと肌に馴染んでいきます。

・通気性・保温性に優れ、通年適した素材
リネンの繊維は中が空洞に空気が含まれているため、寒い冬は体温で暖まった空気が体を暖かく包み込み、汗ばむ季節は上手に水分を逃がしサラッとした肌触りで過ごすことができます。通気性と保温をバランス良く保ち、一年中快適にお使いいただけます。

・色は黄みがかった生成り(亜麻色)

(よくリネンは黄色っぽいという方がいらっしゃったのですが、そもそも植物の特性だったのですね!)

→リネンの欠点

・濃色品は鮮明に染まり難く均一な染色が難しい。
・皺がつき易い

▼「生地の森オリジナル ベルギーリネンシリーズ」より

洗い込まれたベルギーリネンローン60番手
ワイド幅ベルギーリネン60番手

■ 苧麻(ちょま) … ラミー のヒミツ

→ラミーの原料

ラミーとは苧麻(ちょま)と呼ばれ、多年草の植物で、繊維は茎の靭皮(じんぴ)部から採取されます。
50日間で約150cm~200cmと生育は極めて旺盛で温帯で年に2~3回、熱帯では4回~6回収穫でき、中国、ブラジル、フィリピンなどの温暖で湿気の高い気候の土地で栽培されています。

→ラミーの特徴

・麻の中で最も繊維が強い
 繊維が太くて長く、天然繊維の中で最も強度に優れている。
・ 清涼感がある
 天然繊維の中でも最もシャリ感があり、汗ばんでも 肌に密着せずベトつかない。
  汗を素早く吸収し、放出するため気化熱を奪い涼感がある。
・繊維のコシがつよいため、織糸が滑脱しにくく通気性に優れた織物になる。
・強い洗いにも耐え洗濯で汚れが落ちやすく、清潔さが保持できる。
 又、水に濡れると繊維 強力が向上するので洗濯回数の多い夏期に適している。
・色は白く、絹様の光沢がある。

→ラミーの欠点 

・苧麻の代表的な欠点は、繊維が粗硬なので、肌への刺激が強い。
・摩擦に対して毛羽立ちしやすい。

(ちくちく感は、主にこのラミーが原料の生地だったのですね。リネンはチクチクならない。しかし肌触りは個人差もあるので、敏感な方はラミーが入っている生地には注意したほうがよいですね。)

▼「生地の森オリジナルラミーリネン」より
リネンとラミーをブレンドしたオリジナルクオリティー

オリジナル麻 40番手
オリジナル麻 60番手

■ 大麻(たいま) … ヘンプ のヒミツ

→ヘンプの原料

ヘンプ(大麻)とは桑科の1年生で、雌雄異株の双子葉植物のことをいいます。
「麻」という言葉は、日本では古くから大麻のことを指しているとのことです。
生産地は中央アジア、中国、ロシア、ルーマニア他。ヨーロッパでは、冬に植えられることが多い。

→ヘンプの特徴

・ラミーやリネンよりシャリ感があり、肌触りが涼しい。
・糸の強度はラミーよりも弱いが、引張り強度で綿の8倍、耐久性で4倍の強度を持つ。
・繊維構造が中空のため、吸湿、吸汗性がある。
・通気性に優れている。

→ヘンプの欠点

・太くて短いバラツキが多い繊維なので、紡績して糸にするのが難しい。
・粗硬な素材なので、糸ネップやスラブが生じやすい。
・黄味がかった色合いで、光沢はラミーよりも弱い

(ヘンプの生地はなかなか少ないのが現状です。)

まとめ

「麻」とは繊維のこと。

「麻」は植物から採れる繊維のことで、主成分はセルロース。

「麻」には大きく3種類の植物がある。

  ■亜麻 あま …  リネン …黄味がかった色合い
  ■苧麻 ちょま … ラミー …青白く絹のような光沢
  ■大麻 たいま … ヘンプ …黄金色

■亜麻 あま …  リネン  の特徴

・繊維の長さ・・・細くて短い
・糸の強度・・・苧麻(ラミー)よりも弱い
・質感・・・比較的しなやか
・色味・・・黄味がかった色合いで、光沢は苧麻(ラミー)よりも弱い

■ 苧麻 ちょま … ラミー の特徴

・繊維の長さ・・・太くて長い
・糸の強度・・・天然繊維の中で一番強いと言われている
・質感・・・ハリ感が強い、 肌への刺激が強い 、清涼感がある。
・色味・・・白く絹のような光沢が有る

■ 大麻 たいま … ヘンプの特徴

・繊維の長さ・・・太くて短い
・糸の強度・・・苧麻(ラミー)よりも弱い、
・質感・・・硬い、 糸ネップやスラブが生じやすい。
・色味・・・黄味がかった色合いで光沢は苧麻(ラミー)よりも弱い


≪豆知識≫

お洋服の左脇を見ると、品質表示タグが付いているのをご存じですか。
お洗濯の際には洗濯表示を参考にされると思いますが、そこに書かれている素材の表示は繊維表示になります。

日本には「家庭用品品質管理法」というものがあるのですが、衣料品の品質表示で「麻」と表示されている場合は、ラミー(苧麻)、リネン(亜麻)、のことを言います。 尚、ヘンプ(大麻)は指定外繊維 と書かれます。


最後に。

麻には、リネンの生地以外に、ラミーとヘンプという種類があることがお分かりになりましたか?

しかし、今お手持ちのお洋服のタグを見ても 麻100%としか書いてないものが多いかと思います。リネンなのか、ラミーなのかわかりづらいですよね。

でも、手作りのお洋服にあたっては、生地の森では、リネン、ラミーと原料を表記しておりますので、原料を分かって作ることができますね。

弊社で取り扱っている商品の中には取寄せている生地もあり、それにはもともと麻としか表記されていないものがあることも事実です。ほとんどがリネンだと思いますが、すこし怪しいものもございますがどうかご了承ください。

また、リネンがちくちくするかどうかについては、リネンはチクチクしなく、チクチク感じやすいのは、ラミーやヘンプのようですね。

しかしラミーは、麻のなかでも発散性に優れているので、リネンよりも涼感がしやすく、夏向きの素材ということも理解できました。

今、新型コロナの影響で、マスクの需要により布マスクを作る人も増えたと思います。夏の暑い季節のマスクは暑苦しいですよね。夏の布マスクに向いた生地のお問い合わせも多いのですが、麻の生地を使うなら、リネンよりもラミーのほうが良さそうですね。

生地の森のラミー100%の生地は、こちら

ラミーローン1/100番手
ラミーローン1/160番手




おまけ

おすすめの絵本です。
主人公のもぐらくん。お気に入りのズボンを作るために奮闘するお話ですが、リネンのことがとてもわかりやすくコミカルに載っています。
お子様と一緒に読んでみてください。

「もぐらとずぼん」  福音館書店より



≪クイズの答え合わせ≫

Q1→リネン、ラミー、ヘンプ

Q2→ラミー

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは、生地の森でのお買物をお楽しみいただけたら幸いです。




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