オフホワイトとは?

こんにちは 生地の森 です。

「オフホワイト」という色はご存じですか。
「ホワイト」は何が違うの?と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。私も何気なく「オフホワイト」と使っていましたが、今の仕事を通じて、「オフホワイト」にはちゃんとした理由があることがわかりました。

そこで今回「オフホワイト」をテーマにさせていただきたいと思います。

【目次】

・「オフホワイト」の魅力
・「オフホワイト」とは?
・生地の森の「オフホワイト」の秘密
・素材の特徴による「オフホワイト」の違い
・生産ロットによっての「オフホワイト」の違い
・「オフホワイト」にある素材特有のもの
・用途における「オフホワイト」の違い
・「オフホワイト」の生地の注意点


・「オフホワイト」の魅力

自然な風合いと素朴な魅力に惹かれて、ファッションからインテリアと、ライフスタイル全般において、ナチュラルな雰囲気を好む方が多いと思います。

当社では、リネンの生地を中心に、オリジナルの「ラミーリネン」や「リネンウール」など麻生地を専門に取り扱っておりますが、その中でも、一番人気がある色は「オフホワイト」の色の生地なのです。

「オフホワイト」は生地全般で、とても人気なカラーです。

どんなアイテムでもそうですが、色物は趣味嗜好にばらつきがありますが、白色系は一般に無難です。それに清潔感があって、色が与える印象がいいですよね。
またうっかり選んで買ったとしても、後悔が少ないというメリットも、魅力の一つかもしれません。

白いエプロンは憧れ…

・「オフホワイト」とは?

ではこの「オフホワイト」。

そもそも、なぜ「オフホワイト」というのか?と言いますと、様々な意味があるようなのですが、生地の森で言う「オフホワイト」とは、
天然繊維の原料である「生成り(キナリ)」を「晒す」ということが由来となっております。

もう少し詳しく言うと、「晒す」とは、白くするという意味があります。
分かりやすくは、漂白剤に浸けて白くするという感じです。

そしてこの「晒す」ことを「オフ」すると言い、晒して白にすることから「オフホワイト」と称しているのです。

・生地の森の「オフホワイト」の秘密


生地の森では、綿や麻の天然素材の「オフホワイト」の生地を作る場合、原料である「生成り(キナリ)」を晒していきます。
※「生成り(キナリ)」について は、こちらに詳しく載せております。

よく当社の生地をご利用の方の中には、「生成り(キナリ)」の生地と「オフホワイト」の生地は、なんか質感が違う!とお気づきになる方もいらっしゃいます。

まさにその理由は、「晒す」度合いによって、繊維自体が痩せて、もともとの性質も失うことにつながりかねます。
これを「白度」とも言って、「白度」が強すぎると、繊維がもろくなり、風合いも表情も出しにくくなってしまうのです。
なのでオフホワイトの生地は、他の色と比べて若干薄く感じるという場合もございます。

当社のオリジナル生地は、天然素材の特性をを最大限に生かし、素材そのものの自然に醸し出される表情と、味わいのある風合いに仕上げるため、この「晒す」工程にも、非常にデリケートに考えております。

それは、ただまっ白くするためだけに晒してしまうと、素材本来の持ち味である、しぼ感やシワ感がなどの繊細な表情が出にくくなって、風合い自体も変わってしまう恐れがあるからです。

わたしたちの生地の雰囲気作りには欠かせない大切な要素であるため、本来の「生成り(キナリ)」独自の性質を損なわなように「晒す」度合いを考えて
表情豊かな風合い感のよい「オフホワイト」を作ることが、絶対条件なのです。




・素材の特徴による「オフホワイト」の違い

素材による「オフホワイト」の違いを比べるまえに、基となる生成り(キナリ)の糸を見てみたいと思います。

これらは、すべて生成り(キナリ)の糸になります。
それぞれの素材によっての違いがお分かりでしょうか。

主な生成り(キナリ)糸の比較

リネン(亜麻 あま)の場合
生成り(キナリ)が黄味(茶味がかった)色をしているため、オフに晒してもこの黄味が残って、黄味がちの白色になります。

ラミー(苧麻 ちょま)の場合
生成り(キナリ)が青白く光沢を帯びておりますので、オフに晒すと全体に、青味を帯びた白色になります。

(※ヘンプ、綿麻については割愛させていただきます。)

尚、当社のオリジナルの「ラミーリネン」の場合はというと、
「ラミーリネン」とは、文字通りラミーとリネンとが半々にブレンドされた当社のオリジナルのクオリティーです。

 ラミーリネンシリーズはコチラ


その2つの素材が調和されているのが、お分かりになりましたでしょうか。

左下:リネン 中央:ラミーリネン 右上:ラミー

・生産ロットによっての「オフホワイト」の違い

「オフホワイト」には、注意点がございます。
それは生産ロットによるばらつきです。

そもそも麻の原料は植物です。農作物は気候や風土に影響さればらつきが生じます。そのため糸の原料となる「生成り(キナリ)」にばらつきが生じます。黄味がつよかったり、濃かったり、薄かったり、そのばらつきが白に晒す際にも多少影響が出てしまいます。

製造ロットにより、白度、風合い、表情の違いが生じます

なので「生成り(キナリ)」同様に、生産ロットによるばらつきがございますので、リピート購入の際は、前の生地との違いが生じる場合があることをご了承ください。

「前に買ったときはあまり気にならなかったのに、今回は黄色っぽくて汚い。」「茶色ぽい部分の無いところでカットしてほしい」
「前の色と同じものが欲しい」というご要望には対応できかねますので、素材の特性としてご寛容賜りたく存じます。

・「オフホワイト」にある素材特有のもの

「オフホワイト」にある素材特有の糸節

わたしたちの生地は、天然素材の性質を最大限に生かし、素材そのものの表情を風合いに仕上げるため、「晒す」工程に際しても非常にデリケートです。

それはまっ白くするためだけに晒してしまうと、素材本来の持ち味である、繊細なしぼ感やシワ感が生地にしたときに表情に出にくく、風合い自体も変わってしまうからです。素材特有の性質を活かすべく、もともとの「生成り(キナリ)の糸節などのばらつきとともに、糸節の強い部分などは、白くなり切れないムラも生じます。)

黄味に残ったり、茶味にのこったり、また天然繊維にはホコリなどの微細なのチリやごみなどが混入するため、異原糸が含まれます。その異原糸が色糸として多少現れる場合もございます。

・用途における「オフホワイト」の違い

用途とは、色に染めたりプリントを施したりするために使われる下地の白い生地のことを言います。この白生地のことを「P下晒」とも言います。この「P下晒」の白生地と、当社の「オフホワイト」の生地とは、全く作る工程が異なります。

まず、「P下晒」の場合、色ムラやプリントが綺麗に乗るように、生地表面はムラの無い白に、凹凸もないフラットに仕上げられます。なので糸の段階から漂泊して白糸にしてさらに織られた生機(キバタ)を晒して白にしていくのだそうです。「P下晒」の白生地の表面は、下の写真にあるように無表情の状態になります。

左:P下用晒         右:自然な表情のある当社のオフホワイト

しかし、わたしたちの「オフホワイト」の生地は、素材そのものの特性を生かし表情豊かな無地の生地を目的としておりますので、上の写真の様に自然なシワやシボ感が表情に現れております。

・「オフホワイト」の生地の注意点

「茶色い糸が所々に入っていて汚らしい」
「黒っぽい色糸が入っていないところを送ってほしい」
「風合いはとってもいいが、もっときれいな白い色の生地が欲しい」
というご要望をいただくことがございます。

しかし、それらの糸節や色糸の部分を片っ端からはじいていってしまいますと、つながって取れるところは、ほとんど残らないのでないかと思います。


当社は素材そのものの特性を活かすことで、表情のある風合いが作られます。なので、原料である「生成り(キナリ)」性質が失われるほど、薬品に晒すことは行いません。

まるで洗いこんだようなふっくら感、天然無垢なやわらかな表情、「生成り(キナリ)」本来の性質の基となる糸節もカスも色糸のようなものも含まれ、味わい深い「オフホワイト」が完成されております。

誠に恐縮ではございますが、当社のモノづくりのポリシーと「オフホワイト」の生地の特性(糸節や、カス、色糸の部分)は自然な表情のものと、ご寛容いただければ幸いです。


まとめ

当店の「オフホワイト」は、綿や麻の天然素材の原料の「生成り(キナリ)」を晒して(オフ)白に近づけております。 

そのため「生成り(キナリ)」のばらつきが影響し、生産ロットによっても、白味にもばらつきがでます。

また「生成り(キナリ)」にある糸節が、晒しても白になり切れない部分が残ります。

またそれも、天然繊維の不均一な糸節であるため、素材本来のものとして避けることはできませんのでご理解ください。

もし糸節の残る部分がすくしでも少ないものが良いという場合も、それらを避けることができませんので、ご理解ください。

「生成り(キナリ)」についての詳しい記事はコチラ。

生地の森オリジナルの無地の生地のほとんどに「生成り(キナリ)」と「オフホワイト」を展開をしておりますので、素材そのものの味わいをお使いになりたいときは、天然無垢なこれらの2色を使い比べていただけたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

よろしければ、ぜひ公式オンラインストアをご覧ください。


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