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vol.29

ベルギーリネンとラミーリネン何が違うの?

2023/01/19 スタッフ:りんご
生地の森ファブリックマガジン生地の森ファブリックマガジン

生地の森のリネン生地といえば、「ベルギーリネン」と「ラミーリネン」がお馴染みですが、
この二つの違いをご存じですか?
何となくは分かっていても、具体的な違いはなかなか分かりづらいかと思います。

そこで、今回はこの2つのリネン生地の違いについてご紹介していきます。

 
 

リネンとは

フラックス畑にて
リネンの原料となる植物「フラックス」

まずはじめに、リネン生地の「リネン」とは、フラックスという植物を原料に作られた繊維のことをいいます。 フラックスは様々な地域で栽培がされていますが、生地の森では、主にベルギー地方で栽培されたものを総称して「ベルギーリネン」と名付けています。

また、ラミーとリネンを合わせて作られたものを「ラミーリネン」と名付けています。
ここで出てきた「ラミー」とは、リネンと同じく植物を原料に作られた繊維のことをいいます。

古来からリネンは亜麻(あま)、ラミーは苧麻(ちょま)とも呼ばれており、どちらも麻の一種で、これらの繊維で作られた生地は総じて麻生地と呼ばれます。


「リネン」と「ラミー」の生地の特徴

主な麻(リネンやラミー)の特徴

  • 丈夫で長持ち

    しっかりした繊維でできているリネンは、腰が強く耐久性にも優れています。濡れると強さが一層増し、繰り返しのお洗濯にも強く、丈夫で長持ちします。

  • 汚れが付いても落ちやすい

    リネンの繊維に含まれるペクチンには汚れを染み込みにくくする性質があるため、繊維自体に天然の抗菌性があると言われています。

  • 使うほど肌に馴染み、変化を楽しめる

    腰が強く丈夫な繊維でもあるため、長持ちで使うほどに風合いが増し、くったりと肌に馴染んでいきます。

  • 通気性・保温性に優れ、通年適した素材

    リネンの繊維は中が空洞になっており空気が含まれているため、通気性と保温をバランス良く保ち、一年中快適にお使いいただけます。

さらにラミーにはこんな特徴が

  • 麻の中で最も繊維が強い

    繊維が太くて長く、天然繊維の中で最も強度に優れています。

  • 清涼感がある

    天然繊維の中でも最もシャリ感があり、汗ばんでも肌に密着しにくく、また、汗を素早く吸収し放出するため気化熱を奪い涼感があります。

ただしラミーにはデメリットも…
・繊維が粗硬なので、肌への刺激が強い
・摩擦に対して毛羽立ちしやすい
ただしラミーにはデメリットも…
・繊維が粗硬なので、肌への刺激が強い
・摩擦に対して毛羽立ちしやすい

「リネン」と「ラミー」の生地の比較

では、実際に生地の森の「ベルギーリネン」と「ラミーリネン」を画像で比較してみましょう。

「ベルギーリネン」と「ラミーリネン」の比較
【左】洗いこまれたベルギーリネン(カラー:キナリ)
【右】洗いこまれたラミーリネン(カラー:キナリ)

こちらは、どちらも同じ太さの糸を平織りした生地です。
キナリは、染色をしていない生地のため原料の色がそのまま生地の色に反映されています。

どちらもベージュに近い色味ですが、ベルギーリネンの方が、やや色味が濃い傾向にあります。
※原料の採れた土地や時期の違いで色味が変わりますので、すべてこの色味で仕上がる訳ではありません。

ベルギーリネンとラミーリネンの色の違いは、画像でもお分かりいただけたかと思います。

ただ、肌触りは見た目では分からないので、なかなかお伝えするのが難しいのですが、「洗いこまれたベルギーリネン」は全体的にさらっとした肌触り。「洗いこまれたラミーリネン」も同じようにさらっとしているのですが、シボ感(表面の凹凸)が強く、ややゴワつきが感じられます。

本来、ラミーが入っていると表面にややチクチクとした感触があるのですが、洗い加工を施してあるので、ほとんど感じられません。

ここで一つお伝えしたいのが、同じ素材の生地でも加工の違いで、まったく違う質感や風合いの生地になるということ。
例えば、下の2種類のラミーリネンは、糸の太さや織り方は同じですが、加工方法が違います。
表面の凹凸やシワ感に大きな違いがあることが分かると思います。

(画像をタップすると拡大します。)

アンティーク風ラミーリネンの表面感
アンティーク風ラミーリネンの表面感
アンティーク風ラミーリネンの表面感

「アンティーク風ラミーリネン」は、表面にやや毛羽立ちがあり滑らかな感触なのですが、
撫でると何となくチクチクとした感じがあります。
※感触には個人差があります。

生地の加工方法が変わると、質感や風合いも変わることがお分かりいただけたかと思います。


今回比較した生地はこちら

  • 商品番号:IN50093
    洗いこまれたベルギーリネン(25番手・40番手・50番手)

    洗いざらしのナチュラルで心地良い自然な風合いに仕上げました。

  • 商品番号:IN50581
    洗いこまれたラミーリネン25番手

    自然なシボ感が清涼感とナチュラルな雰囲気を演出します。

  • 商品番号:IN50083
    アンティーク風ラミーリネン

    ハリの中にも柔らかさを感じさせる絶妙な肉感。

 

最後に

「ベルギーリネン」と「ラミーリネン」とでは、素材の違いはあるものの、天然繊維の中でも丈夫で通気性や保温性に優れた生地です。実際に麻生地を使ってみると、ベタつかず水分の乾きも速いので、さらっとしていて気持ちが良いですよね。

私個人的な感想ですが、自室でリネンのベッドカバーを使うようになってからは、冬は暖かく保温性の高さを実感しています。

一年を通して洋服はもちろん、身の回りの生活用品にも麻生地は馴染みやすい素材だなと改めて感じています。
あなたの生活の一部に、ぜひ取り入れてみてください。

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