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vol.52 STORY OF THE MAKING

生地の森のリバティ ―
20年の軌跡が紡いだ奇跡
リバティプリント リネン《エディナム・シャドウ》
誕生ストーリー

生地の森のリバティ ― 20年の軌跡が紡いだ奇跡生地の森のリバティ ― 20年の軌跡が紡いだ奇跡

INTRODUCTIONリバティと生地の森のリネンが紡ぐ、
特別な出会い

2005年の創業以来、私たち生地の森は
「素材の素直な美しさ」を追い求めてきました。
リネンを中心に、天然素材がもつ自然な風合いと手ざわりを大切にしながら、
20年間、ものづくりと真摯に向き合ってきました。
その節目に生まれたのが、世界の名門〈リバティ〉と日本のリネンが出会って誕生した特別な一枚。
リバティプリント リネン《エディナム・シャドウ》
この生地は、“生地の森というブランドの存在意義”を形にした、奇跡のようなプロジェクトです。

更新 2025年11月27日

Chapter 01 / THE ENCOUNTER出会い ―
生地の森とリバティが巡り合った瞬間

2022年、リバティプリントとの新たな企画の話が持ち上がりました。
「生地の森のリネンで、リバティプリントを表現してみたい」――

それは、リバティが持つ繊細な美と、生地の森のリネンが持つ自然な風合いが交わる瞬間でした。
通常なら交わることのない二つの哲学。
リバティの精緻なアートと、日本のリネンづくり。
この出会いから、約2年半にわたる挑戦の物語が始まりました。

リバティプリントの試作

Chapter 02 / THE CHALLENGE挑戦 ― 理想のリネンを求めて

リバティの緻密な線画と、生地の森のリネン特有のシワや揺らぎ。
両者の個性をどのように調和させるか――
それは前例のない試みでした。

プリントの再現性を求めれば、リネンの風合いが損なわれる。
風合いを優先すれば、柄の線が揺らぐ。
素材の個性そのものが、壁となって立ちはだかりました。

それでも私たちは信じていました。
「この風合いを失っては、生地の森である意味がない」と。

生地の森の試作サンプル

Chapter 03 / THE DILEMMA葛藤 ― 妥協か、信念か

リネン100%の生地は高価な上に、加工時にもわずかな揺らぎが生じて、
リバティの繊細な線をわずかに不安定にしてしまうこともありました。

一方、綿や綿麻のようなフラットな生地なら、柄は美しく、くっきりと出る。
しかもリネン100%に比べれば、コストを抑えた“買いやすい”生地に仕上げることもできます。

それでも――
リバティ社が惹かれたのは、あの微かな“揺らぎ”を含んだリネン独特の質感でした。

リバティプリント 綿麻生地
試し刷りで作成したサンプル
プリント下地の色を決める前の工程
リバティプリント リネン生地 綿麻生地 比較
リネン生地【左】と綿麻生地【右】で風合いの違いを比較

風合いか、再現性か。
品質・価格・理想、その狭間で私たちは何度も足を止め、向き合い続けました。

そして辿り着いた答えは、ただひとつ。
「この風合いこそが、生地の森の証である。」
リネン100%で挑む――それは、20年のあいだ育ててきた揺るぎない信念そのものでした。

リバティプリント リネン 試作反物
何度も試し刷りで作成した反物たち

Chapter 04 / THE DECISION決断 ― 独自のプロセスで挑む

「生地の森のやり方でやらせてほしい」
その一言から、すべてが動き出しました。

リバティプリント リネン 工場風景
プリント機にセットされたリバティ柄のリネン生地、
何度もテストを重ね自然なリネンに再現する調整の工場風景
リバティプリント リネン 工場風景 リバティプリント リネン 工場風景

リバティプリントとしての品質基準を守りながらも、
私たちが積み重ねてきた染め・仕上げのノウハウを活かし、
国内の信頼ある工場とともに試作を重ねました。

リバティプリント リネン 濃淡比較
色の濃淡の微調整による違い
【左】濃いめ、【右】薄め

何度も失敗を繰り返しながら、繊細な柄とナチュラルな風合いを両立させるための調整を続けました。

リネンの自然な立体感を損なわず、
リバティの線の美しさを生かす――

そのための細やかな試行錯誤を、ひとつひとつ積み上げていったのです。

希望の色味になるまで調整を重ねる作業風景
希望の色味になるまで調整を重ねる作業風景

Chapter 05 / THE CREATION完成 ― 20年の結晶

数えきれないほどの検証と対話を経て、ついに完成に至りました。
グレイッシュなサックス地に浮かぶ繊細なパープルの花々。

生地の森 リバティプリント リネン パープル
P下(下地)のサックス色を浮き立たせる技法のため、
花の色はサックスが浮かび上がる

リネンの凹凸が生む陰影が、プリントに深みと奥行きを与えています。

リバティの美しさに、
生地の森のリネンが息づく――
まさに“リネンでしか表現できないリバティ”が誕生した瞬間でした。

生地の森 リバティプリント リネン
3色展開で完成したリバティプリント リネン

約2年半の歳月と、20年の信念。
「生地の森にしかできないリバティ」がここに完成しました。

Chapter 06 / THE DESIGNデザイン ― 「エディナム・シャドウ」の世界

《エディナム・シャドウ》は、リバティの代表的な花柄「Edenham(エディナム)」をもとに、
陰影をテーマに再構成されたデザインです。

下地とプリントの2色が生み出すグラデーションが、柔らかな奥行きを演出。
ベルギーリネン100%のナチュラルな質感と相まって、
光の角度によって表情が変わる、美しい陰影の世界を描き出します。

生地の森 リバティプリント リネン エディナム・シャドウ
【左】J25C ブルー/【中央】J25B カーキ/【右】J25A パープル

幾つもの葛藤と決断、そして数えきれない試作を経て生まれた一枚の生地が、
お客様の手によってかたちを宿し、日々の暮らしに彩りを添えています。

リバティプリント リネンのキャミソール&パンツ

お客様作品:
キャミソール&
パンツ

リバティプリント リネンのおさいふがまぐち

お客様作品:
おさいふがまぐち

リバティプリント リネンのころりんバッグ

お客様作品:
ころりんバッグ

Chapter 07 / THE FUTURE未来へ ― 次の20年へ紡ぐ想い

このプロジェクトを通して、
私たちは改めて気づきました。

素材に対する誠実さは、
必ず誰かに届くということ。

リバティプリントの美と、生地の森のリネンが出会ったこの生地は、
単なる「限定モデル」ではなく、
“信念を貫いた証”であり、“次の20年への約束”です。

世界が憧れるリバティの美しさと、
日本の工房が育てたリネンの素朴さ。
その融合は偶然ではなく、信念から生まれた。

これからも生地の森は、素材とまっすぐに向き合い、
誠実に、丁寧に、生地づくりを続けていきます。

生地の森 リバティプリント リネン生地


EPILOGUE結びに

これまでの20年が、この奇跡を生み、この奇跡が、次の20年を照らしていきます。

生地の森 リバティプリント リネン エディナム・シャドウ

A special project by LIBERTY and KIJINOMORI.

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繊細なプリントと、リネンならではの風合いが織りなす魅力を、さまざまなかたちでお楽しみください。


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